骨を作って対処したケース
インプラントを入れる予定の場所に骨が少ない場合,骨を何らかの形で作る必要があります。それぞれのケースに適した骨の作り方が選択されますが,下のケースは「ソケットリフト」と呼ばれる患者様への負担は最も軽くてすむ治療法を選択したケースです。

     

上の奥歯2本を歯周病で失ったため,骨が吸収しています。ヒトの上あご内部には「上顎洞」と呼ばれる空洞があるため,骨の厚みは矢印で示した厚みしかありません(上図右)。

「ソケットリフト」という治療法は「上顎洞」の底面部にインプラントを粘膜を破らないように突きだしてやる方法です。

手術後,しばらくしますと突きだしたインプラント周囲には骨が自然に出来てきます。骨の再生に人工的な物を使用せず,移植も必要としないため,患者様への負担は少ない治療法のひとつです。下の写真はインプラントを入れて5年が経過した写真です(パノラマレントゲンのため,画質が粗くなっています)。


歯ぐきを切らないで対処したケース
このケースは事前に撮影したCT画像をコンピュータ解析し,歯ぐきを切らずにインプラントを埋め込む方法です。


総入れ歯の患者様です。下の入れ歯が安定せず,食事に不自由であるため,インプラント治療を選択しました。
このケースは事前に撮影したCT画像をコンピュータ解析し,歯ぐきを切らずにインプラントを埋め込む方法です(当院の患者様ですが,当院で初めてのケースでしたので奈良県五條市にある中谷歯科医院の堀内克啓先生にご協力いただきました)。


CT解析画像

歯ぐきを切らないでインプラントを入れ,その日のうちに「仮の歯」を入れました。写真は手術翌日ですが,歯ぐきの腫れはほとんどありません。食事も柔らかい物であれば手術直後から普通に出来ました。

半年経過してから最終的な歯を作りました。処置終了してまだ3年ほどですが順調に経過しています。